木魚歳時記 第208話

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八講の 世相ともども 荒れじまひ

 極楽(浄土)とは?経典では、縹渺として絶え入りそうに美しい極楽(浄土)の光景を描写したあと、こんなふうに記述しています。

 「(極楽・浄土は)清浄にして安穏(あんのん)。言葉につきせぬ微妙快楽(みみようけらく)の処にして、意(こころ)に食(じき)なりとおもえば自然に飽満す。しかし、事終われば化しさり、時至ればまた現ず。よって身心柔軟にして、無為涅槃(むいねはん)の道に次いで等し。」(無量壽経)

 極楽(浄土)とは、かぎりなく快楽に満ちた処であり、食べたいもの、欲しいものは自由に手にできます。ですから、争うことのない世界(無為)、心身が自由となる世界(柔軟)、悟りの世界(涅槃)に等しいのです。
 経典に「欲すれば手にでき用済めば消える。」とあります。ですからストック(独占)はありえません。(この世は)欲望を必要以上に独占します。しかし、極楽(浄土)はその必用がないのです。ですから「幸せの国」なのです。我欲の炎が消え、身も心も自由(柔軟)となった世界これが極楽浄土の相(姿)です。

   「猿山に 騒動とかや 春の塵」