木魚歳時記 第140話

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炎天や 釘とウソ抜く 通称寺

冥界の騒動

 「閻魔大王さま一大事です、毛むくじゃらの雷公がやってきてなにやらわめいております」。司命尊(検事)、司録尊(書記)と酒盛の最中の閻魔大王は「何事ぞ猿一匹ぐらい、すぐに追い返えせ。」と激怒いたします。「いえ、凶悪な奴で太い鉄棒で脅すのでとても敵いません」。門衛は青くなって叫びます。それからのすったもんだはともかくとして、悟空にコテンパアに打ち負かされた閻魔大王は、寿命担当の判官に命じて「齢命簿」を持ってこさせます。

 付録のページに、毛虫、羽虫、いら虫、エテ公とあり「天産の石猿、寿命四百五十歳、終わりを善くする」。確かに悟空の寿命は打ち止めでした。そこで悟空は、自分の名前のところを墨で塗りつぶし「これからは、閻魔の指図は受けん!」と、大威張りして冥界を引き上げてきます。