木魚歳時記 第79話

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心経の しじまを這いて 寒の滝

 「真之介さま諸行無常です」。小雪さんが大事にする千両の実を、目白がきて食ってしまったのです。

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 「なんのこっちゃ丸坊主」ですな。
 ところで『方丈記』は読みましたか?こうした<無常観>をテーマとする文学がどうして生まれたのか?その国の<風土>・<宗教>を無視できません。風土と宗教については、①仏教(森の宗教)、②キリスト教(草原の宗教)、③イスラム教(砂漠の宗教)の三つがあります。
 地殻の変動で、エベレストが隆起し、モンスウーンの風土が生まれました。その東端の日本で、「仏教」が息づいています。モンスウーン独特の<湿潤>が四季を生み、やがて森の文明を育てました。そして四季の<うつろい>の中で、「諸行無常」を説く仏教や、それをテーマとする文学が生まれたとしてなんの不思議もありません。