タテヨコに 思い出秘めて 絹ハンカチ
このハンカチは季語として不合格でしょう。縦糸と横糸の重なり(人生)に、一度や二度は、こんな思い出もあるでしょう。その想い出を秘めて、じっと、引きだしの奥に仕舞う絹ハンカチ・・・嗚呼、アホみたい。
ハンカチには、縦糸と横糸の重なりが無数にあります。その重なりの一つが「私」と考えてください。この「私」という結び目を左によせると、無数の結び目(みんな)も左に寄ります。無数の結び目(みんな)が右に寄れば、「私」という結び目も右についてきます。
「私」があって「みんな」もある。「みんな」があって「私」もある。この「持ちつも持たれつ」(共生)の真理をお説きになったのが、お釈迦さまの教え、仏教なのです。