木魚歳時記 第22話

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草茂る 上る下りや 男坂

知恩院さんの、国宝となった三門、すなわち三解脱門(さんげだつもん)をくぐりぬけると、胸を突くように男坂が迫ります。その右横には‘なだらか’な女坂もあります。ぼくは、もちろん「女坂」を登ります。そのほうが心地よいからです。

 「三解脱」(さんげだつ)とは、“むさぼり”、“怒り”、“無知”という三つの「煩悩」(ぼんのう)から「解脱」(開放)することです。ですから、知恩院さんを訪ねたなら、まず、三門をくぐり抜けてください。みなさんは、それで「解脱」ができるのです。それから、男は男坂を、女は女坂を登って、法然上人像さまが安置された「御影堂」(みえどう)、すなわち、「悟りの世界」に入るのです。ぼくは、女坂を登ったので、バチがあたって、いまだ「外道」(げどう)。下り下りで草生(くさむし)て終わります。