木魚歳時記 第4話

f:id:mokugyo-sin:20131209143227j:plain

睡蓮の 菩薩衆生と 咲き分けて

 「泥中蓮華」とはよくいったものです。睡蓮(すいれん)の花が、蕊(ずい)まで匂うように、真っ白に咲くのを見ると、泥中からとても・・・と、そんなふうに感じます。
 真っ白な睡蓮の花も、池面に浮かぶ睡蓮の葉も、おなじ泥中の根茎から分かれて生じます
 睡蓮の花を見ると、それは「我欲」を捨て、ボランティア(奉仕)を実践する「菩薩」の姿に見えます。虫に食われ睡蓮の葉を見ると、我欲に蝕まれた「衆生」(しゅじょう)の姿に見えませんか?
 ところで、わたしたちは「仏性」(ぶっしょう)といって、仏になる種子を持って生まれます。その種子を、睡蓮の花、菩薩の姿に、咲かせることが大切です。それには「我欲」を捨ることです。