五十八歳のころの兼実の上人に対する帰依は、異常ななほどに達していて、上人が兼実を訪ねて退出を見送った兼実は、頭に後光(ごこう)を現じ、蓮華を踏みながら庭の橋を渡られた奇瑞(きずい)をまのあたりに見たとも伝えられているほどである。(佐藤春夫…
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