七月九日の大地震に築地くずれ廃屋傾く路のなかに、門院は危うきを避け人目をいつおん奥で長月の末、風寒き北山深く寂光院に入らせた。 院の傍の方丈のご庵室の一間はご寝所にしつらえ昼夜丹暮の勤行、長時不断の御念仏、懈怠なくひたすらに、先帝はじめ幼帝…
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