木魚歳時記 第3710話 

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  第八章 雲上の醜聞

(一)保元元年七月に勃発した保元の乱は、貴族政権を武家政権に移す転機となったものとして、歴史上重要な意義のあるものとされている。
 しかし戦争そのものは、鎮西八郎為朝(ちんぜいはちろうためとも)が強弓をもって武勇を発揮したほかはどちらでも早く敵の本拠に火をかけた方が勝ち、という至極簡単なもので、武闘は短か夜の明け方ほんの三時間ばかりであっさり勝敗を決めたほどのあっけなさであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)407

       音のしてやがてあらはる春の川

 「ボクの細道]好きな俳句(1461) 矢島渚男さん。「桃咲くやゴトンガタンと納屋に人」(渚男) 桃の花が咲くころともなると、なんとなく気持ちもうらうらと明るくなります。ゴトンガタンと納屋の片づけに精を出す人がいるのでしょう。さて、モグラについて。モグラは土中にトンネルを掘り地上に姿を見せることはまずありません。そこで、トンネルを掘ることに適したように手足や体躯は進化していますが、トンネルを掘るスピードは意外に遅く、一時間に80センチ・・蝸牛(かたつむり)のスピードと同じくらいだそうです。しかも、新しいトンネルを掘り進めることはまずなく、掘り上げたトンネルを往復しながら、どこかでミミズ(好物)と出会う暮らしをするそうです。