木魚歳時記 第3334話

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 居館は(弓削の庄の)明石定国が好んでこの山上で笛を吹いたという笛吹山の山すそが細長い丘陵となって、たとえば、太くたくましい腕を北に突き出し更に西へ抱え込むような地勢のところに構えられた。
 この丘陵の腕の尖端はあたかも握りこぶし固めたような独立の丘陵をなして一朝有事の日は物見とものろし台ともなって、街道一帯を見はるかし、北の那岐山は目路(めじ)も遠いが南の弓削あたりまで見通しで、地方豪族の居館には申し分のない構えである。
(佐藤春夫『極楽から来た』)40

      空海の霞食らひて高野山

 「ボクの細道]好きな俳句(1085) 能村登四郎さん。「あたためて何包みたき掌か」(登四郎) 「何」とは? 乳房のことを指して? いやそうではない。ハグしてあげたい君のことです。君とは誰のこと? それは言わぬが花でありましょう(汗)。「もういちど兎抱きしめ卒園す」。幼少時よりスケベ男を自認する某氏Sにもこんな純情な時代があったのです。