木魚歳時記 第3325話

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 弓削も稲岡もわずか二十戸かそこらの小さな家々が、あちらの山すそ、こちらの森かげというふうにちりぢりばらばらである。このころの一戸は人数が多かったとはいえ、二十戸でせいぜい四、五百人であった。
 それがすりばちの底のネコの額(ひたい)ほどのやせた地に精根をを打ちこんで耕作しているのであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)31

     身に入むや真言秘密の仏たち

「ボクの細道]好きな俳句(1076) 能村登四郎さん。「鳥渡る旅にゐて猶旅を恋ふ」(登四郎) こうした体験はボクにはありません。しかし、旅の途中にまた次の旅に思いを馳せる、そうした心中を察することは出来ます。さて、被災者(東日本大震災)に哀悼の意を込めながら「鳥渡るなにごともなく鳥帰る」の一句を作ったことを思い出しました。