木魚歳時記 第2014話

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(雪山の神霊がいう)「かの聖者(ゴータマ)は、羚羊(かもしか)のような脛(すね)があり、痩(や)せ細って、聡明であり、小食で貪(むさ)ることがなく、森の中で静かに瞑想(めいそう)している。来たれ、われ(神霊)らは、ゴータマ・ブッダと見(まみ)えよう。」(スッタニパータ) 

 「森の中で静かに瞑想(めいそう)している。」とあります。『スッタニパータ』が説かれた初期仏教(BC6~5世紀)の時代では、沙門(修行者)は森で静かに瞑想(めいそう)に耽(ふけ)り、独り托鉢(たくはつ)して過ごすのが常でありました。僧伽(さんぎゃ)つまり、出家者の<教団>が形成されるのはかなり後のことになります。

         僧堂の闇をしめらせ半夏雨