木魚歳時記

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木魚歳時記 第569話

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 「有頂天」(うちょうてん)とは、「あの人いま有頂天になっている」。つまり、なにかに心をうばわれて我を忘れて、舞い上がっている状態を指すことばとして、現代は用いられます。

 有頂天の「天」とは、原語で「光り輝くもの」「尊いもの」であります。ここでは「神」を、また「神々が住む場所」を意味すると考えてください。そして、その神々が住む「天」の世界は、地上からはるか上方にあると考えられていました。
 前項でも述べましたように、「有頂天」は想いがあるのでもなく、想いがないのでもないという瞑想(めいそう)の世界で、あらゆる存在者にとって最高の境地であると考えられていました。ですから、本当はなかなか「有頂天」の境地にはなれないはずであります。ブッダ(釈尊)とは、この「有頂天」をもこえ、つまり三界流転を脱した覚者のことを意味します。

   三山の景おのづから照紅葉