「大日如来」(だいにちにょらい)の略です(如来と仏は同じと考えてください)。サンスクリット語ヴァイローチャナの意訳です。音訳の場合は「毘廬舎那」(びるしゃな)となります。つまり、大日仏と毘廬舎那仏はおなじ仏さまのことです。
華厳経(けごんきょう)、大日経、金剛頂経(こんごうちょうきょう)など密教系の経典の主として登場する仏(ぶつ)です。原語は「輝きわたるもの」すなわち太陽を意味するところから、密教では「光明遍照」(こうみょうへんじょう)とか、大日(だいにち)と訳したのでしょう。また、華厳経(けごんきょう)の仏を「廬舎那仏」(るしゃなぶつ)ともいいますが、毘廬舎那仏との関係はややこしいのでここでは省略しておきます。仏教美術として優れたものが多く、金剛峯寺、円成寺、広隆寺、渡岸寺の大日如来像は有名です。因みに、東大寺の大仏は毘廬舎那仏です。