ほ~さんや 密かに燃える 花石榴
京の町家を、雲水(禅宗の托鉢僧)が、ほ~ほ~と近づいて来ます。京都の人は「ほ~さんがきやはった」といって待ちます。遠くから近づく托鉢僧の錆びた「ほ~ほ~」に、ひそかに心をときめかせた町家娘があったかも知れません。
「我といふは煩悩なり」(一遍上人)
煩悩(ぼんのう)といっても、初恋は切なくて美しいものです。それを煩悩といえるかどうか?美しい娘に恋した男が、朝(あした)に髑髏(どくろ)を抱いていた・・・『今昔物語』にありそうです。こんな煩悩なら消さずにおきたい・・・