木魚歳時記第4039話

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 権亮維盛は、
「自分みたいに歌も詠めないやつはどうすればよいのか」
 といったが責めたてられて、
   心とむな思ひ出でそといはむだに今宵はいかがやすくわすれむ
(佐藤春夫『極楽から来た』)707

      小六月ついに悪漢往生す

 「ボクの細道]好きな俳句(1785) 有馬朗人さん。「梨の花郵便局で日が暮れる」(朗人) ボクは「梨の花」が咲くのを見たことがありません。いや、梨の木自体がどんな木であるのか?知りません。しかし、ニートンの「リンゴの木」なら、府立植物園で見ました。

 鶸(ひわ)の巣2  父はこれまで、度々、鳥を籠に入れて置くことは罪悪だと説いたことがある。今度は多分同じことを繰り返すのがうるさかったのであろう。別に何にも返事をしなかった。数日後私は彼に言った・・

 

木魚歳時記第4038話

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「この座にいる人は何でもいいからみな歌を書きなさい」
 と、まず自分の肩につぎのように書いた
    かたがたに忘らるまじき今宵をば誰も心にとどめて思へ
(佐藤春夫『極楽から来た』)706

       破蓮どこが始めで終りやら      破蓮(やぶれはす)

 「ボクの細道]好きな俳句(1784) 有馬朗人さん。「春や春まづはぶつかけうどんかな」(朗人) 前に、梅田の地下街ではソバを食しました。こんどは「ぶつかけうどん」です。ボクは麺類は大好きですが、ぶっかけ素うどんの立ち食いが性に合っています。レストランでのフランス料理よりも・・それはともかく、このところ酒量がめっきりと落ちました。齢の加減でしょうか?

 鶸(ひわ)の巣1 庭の桜の叉(また)になった枝の上に、鶸の巣があった。見るからに綺麗な、まん丸によくできた巣で、外側は一面の毛で固め、内側はまんべんなく生毛(うぶげ)で包んである。その中で、雛(ひな)が四羽、卵から孵(かえ)った。私は父にこう言った・・
「あれを捕って来て、自分で育てたいんだけれどなぁ」(ルナール『博物誌』より)

 

木魚歳時記第4037話

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 隆房が中宮のお返事をいただいて急に退出するというので、このまま帰すのも興がないことだと思い、扇のはしを折り取って、それに次のような歌を書いて渡させた。
   かくまでも情つくさでおほかたの花と月とをただ見ましだに
 少将はこの歌を、そば恥ずかしいほどに朗詠し誦吟し、さて硯をとって、
(佐藤春夫『極楽から来た』)705

       笑茸笑ひ川蝉わははは   茸(たけ)

 「ボクの細道]好きな俳句(1783) 有馬朗人さん。「柚子風呂に聖痕のなき胸ひたす」(朗人) 「聖痕のなき」とは? まさかイエスの十字架刑? そうでなければ、誰に対して何が? まあ、誰にでも、心の底を叩けば懺悔(さんげ)したいことの、一つや二つはあるものです(汗)。皆、無事で今日を過ごせるのは仏さまのご加護のお蔭です。

 葡萄畑(ぶどうはたけ)1  どの株も、添え木を杖(つえ)に、武器携帯者。 いったい、何を持っているのだ。葡萄の実は、今年はまだなかなか生(な)るまい。そして葡萄の葉は、もう裸体にしか使われない。(ルナール『博物誌』より)

 

木魚歳時記第4036話

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 折からそこへ隆房の少将(中宮の妹婿で藤原氏)が中宮から主上のお使いとしてお手紙を持って来た。それをそのまま呼び込んで来て、音でさまざまな遊びをし尽くした果は、昔や今の物語りなどをして明け方までぼんやりながめていたところ、花は散るも散らぬも同じ色見渡され、月も一つにかすみ合いながら、ようよう山際が白んできたのが、いつものこととはいいながらたとえようもなく趣が深かった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)704

       もみづるゝ京見峠を越えにけり

「ボクの細道]好きな俳句(1782) 有馬朗人さん。「村人に永き日のあり歓喜天」(朗人) 「歓喜天」(かんぎてん)はヒンドウー教の影響を受けた仏教の守護神の一つです。いろいろな守護神像として登場いたしますが「男女和合像」として描かれる場合があります。ボクの師匠(親父)は、この大聖歓喜天(聖天)を裏堂にお祀りしていました。

 ひなげし2  風が吹くと、彼らは飛んで行く。そして、めいめい、気がむけば、畝(うね)のへりで、同郷出身の女、矢車草とつい話が長くなる。

 

木魚歳時記第4035話

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 ちょうど花はさかりに月の明るかった夜のこと、このように良夜をいたずらに明かし過ごしてはなるものかというので、権亮(ごんのすけ・維盛・これもり)が朗詠をして笛を吹き、経正が琵琶を弾き、み簾(す)のなかでも女房たちが琴をかき合わせなどして面白く遊んでいた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)703
       
       のつぺ汁いつもニコニコお婆さん

 「ボクの細道]好きな俳句(1781) 有馬朗人さん。「大阪も梅田の地下の冷しそば」(朗人) 大阪のナンバ界隈(南)に対して、ウメダ界隈(北)は、また、別の盛り場の雰囲気があります。ただし、その発展に応じて継ぎ合わされた「地下街」の迷路ぶりは有名でした。その地下街での蕎麦(立ち食い)の美味しいこと・・

 ひなげし1  彼らは麦の中で、小さな兵士の一隊のように、ぱっと目立っている。しかしもっと綺麗(きれい)な赤い色をしていて、おまけに、物騒でない。 彼らの剣は穂である。(ルアール『博物誌』より) 

木魚歳時記第4034話

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 春のころ(というのは治承三年)中宮(徳子)が西八条(清盛の別宅)へおいでになtっていた間、これという職事もなく参入する人はいうまでも無いとして、ほかに中宮のg兄弟や甥御たちのなどが、みんな当番をきめて、二、三人がいつも中宮のおしばに侍していたものであった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)703

       綿虫の消えるとき来てみな消える

「ボクの細道]好きな俳句(1780) 有馬朗人さん。「月山の木霊と遊ぶ春氷柱」(朗人) 「月山」(がっさん)は山形の出羽三山の一つを指します。名山のしかも山にこもる木霊(もくれい)と遊ぶなんて・・あたたか味のあるこの作者の作風に癒されます。春氷柱(つらら)が効いています。

 庭のなか12 林檎(りんご)の木・・・(向かい側の梨の木に)あまえさんの梨(なし)さ、その梨、その梨、お前さんのその梨だよ、あたしがこさえたいのは。

 

木魚歳時記第4033話

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(五)しかしおごる平家の公達は一門の棟梁の抱くこんな雄大な夢の破片さえ持つこともなく、ただわが世の春に酔い痴(し)れていた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)702

       あめつちとそらやまかわや蜆舟

  ボクの細道]好きな俳句(1779) 有馬朗人さん。「日向ぼこ大王よそこどきたまえ」(朗人) ふむ。なぜか門前の不動明王を祀るあたりにだけ「日溜」ができていて大王さまも暖かそう・・大王さま、あなたは寺と大衆を守る偉丈夫なのですから、この寒さで震えるわたくしに「日溜」をあけてください。

 庭のなか11  馬鈴薯(ばれいしょ)・・・わしゃ、子供が生まれたようだ。