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木魚歳時記

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木魚歳時記 第3044話

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 この世のものを浄(きよ)らかだと思いなして暮らし、(眼などの)感管をよく抑制し、食事の節度を知り、信念あり、勤(つとめ)励む者は、悪魔にうちひしがれない。岩山が風にゆるがないように。(ダンマパダ)

 「ボクの細道]好きな俳句(800) 正木ゆう子さん。「能村登四郎一生細見捩花」(句集『静かな水』) 能村登四郎さんは正木ゆう子さんのお師匠さんです。ゆう子さんは「能村登四郎は長身でほっそりとして寄りつき難い威厳を示していた。とやかく弟子に示すようなことはなかった。」そんなことを記しておられます。師匠の一徹なところ?を慕っておられたのでしょうか。それはともかく、この場合「捩花」(ねじればな)の季語がとてもよく効いていて面白いです。

 「今日のことば」

         たえずあなたを、
         何者かに変えようとする世界の中で、
         自分らしくあり続けること。
         それがもっとも素晴らしい偉業である。
         (エマーソン)

         花は葉に生みたて卵かけごはん

 

 

木魚歳時記 第3043話

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 この世のものを浄(きよ)らかだと思いなして暮らし、(眼などの)感管をよく抑制せず、食事の節度を知らず、怠けて勤めないものは、悪魔にうちひしがれる。弱い樹木が風に倒されるように。(ダンマパダ)

 「ボクの細道]好きな俳句(799) 正木ゆう子さん。「しずかなる水は沈みて夏の暮」(句集『静かな水』) 「しずかなる水はさらに沈みて静かとなるであろう」とは作者の弁。作者の居住される近くには小さな湖があるようです。作者は、ときには、湖の水に手を触れそのささやきに耳をかたむけ、湖面を見て水の深さを知り、あるいわ、汀(みぎわ)の大樹の幹によりかかり、樹液の音(こえ)を感じるのを楽しみとされるのでしょうか?

「今日のことば」
        私たちは、いわば二回この世に生まれる。
        一回目は存在するために、
        二回目は生きるために。
         (ルソー)

         ダメなのよだめだめだめよ蟇蛙 

                                   蟇蛙(ひきがえる)

 

木魚歳時記 第3042話

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 「われはここにあって死ぬはずのものである」と覚悟しよう。このことわりを他の人々は知っていない。しかし、このことわりを知る人々があれば、争いはしずまる。(ダンマパダ)

 「ボクの細道]好きな俳句(798) 正木ゆう子さん。「ヒヤシンススイスステルスケルトン」(句集『静かな水』) さて「スイス」は国名。そして「ステルス」は敵のレーダーで捕捉(ほそく)されない形状の偵察戦闘機のことです。また「スケルトン」は残骸(骨組み)の意味と理解しておきましょう。これらなんの関係もない無機質の名詞(片仮名)をならべ、しかも「ス」の韻を整えることで洒落た作品に仕上がっています。作者は、文芸的才能はいうに及ばず、理系思考の頭脳も兼ね備えた俳人なのでしょうか(そう思います)。

 「今日のことば」
         人生の意義を
         探し求めようとしない者がいるならば、
         その人間は生きながら死んでいるのだ。
          (トルストイ)

          竹の子のずぶり急所をやられけり

 

木魚歳時記 第3041話

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 実にこの世においては、怨(うら)みに報いるに怨みをもってしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。怨みをすててこそ息(や)む。これは永遠の真理である。(ダンマパダ)

 「ボクの細道]好きな俳句(797) 正木ゆう子さん。「池を出てふつと重力ひきがへる」(句集『静かな水』) プールの「手すり」を使い、体を水面から持ち上げるとき、異常に体重を重く感じた経験がありませんか? これは、浮力が体感として残っていて、その比較から体重を重く感じたのです。もっと深読みするなら、池(住慣れた)を出て、外界(世間)に触れた蟇(ひきがえる)の緊張感、そのあたりの感覚(隠喩)を巧みに描いて成功した秀作です。

 「今日のことば」
         わたしたちは、
         成功するためにここにいるのではありません。
         誠実であるためにここにいるのです。
         (マザー・テレサ)

         ベランダをかすめ今年の燕反る

木魚歳時記 第3040話

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 「かれは、われを罵(ののし)った。かれは、われを害した。かれは、われにうち勝った。かれは、われから強奪した。」という思いをいだかない人々には、怨(うら)みはついに息(や)む。(ダンマパダ)

 「ボクの細道]好きな俳句(796) 正木ゆう子さん。「三鬼忌の野よりひき抜くハイヒール」(句集『静かな水』)(句集『静かな水』) 「おそるべき君等の乳房夏来る」(三鬼)の作品があります。新興俳句の旗手(当時)として知られる、西東三鬼さんの忌日(4月1日)に因んでの作品でしょうか? それにしても「野よりひき抜くハイヒール」の激しさ! 三鬼さんの世界(俳句の)からの決別を意味する(隠喩)なのでしょうか? この作者(正木さん)の芯の強さを垣間見たような作品です。

 「今日のことば」
         行き詰まるのは
         重荷を背負っているからではないわ。
         背負い方がいけないだけなの。
            (レナ・ホーン)

         菜の花の中をぽつぽつ歩きかな

 

木魚歳時記 第3039話

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 「かれは、われを罵(ののし)った。かれは、われを害した。かれは、われにうち勝った。かれは、われから強奪した。」という思いをいだく人々には、怨(うら)みはついに息(や)むことがない。(ダンマパダ)

 「ボクの細道]好きな俳句(795) 正木ゆう子さん。「揚雲雀空のまん中ここよここよ」句集(『静かな水』) 揚げひばりが、大空の到達点で、フォーバークラフト(空中停止)しながら「ここよここよ」(いらっしゃい)と歌っているというのです。また、落雲雀は、着地点を明かさないといわれます。つまり、巣穴・幼鳥の居場所を外敵の目からそらすためでしょうか? 一見のどかに見える一句の中に、野生の営みの厳しい現実があり、しかも、それをユーモラスに表現したところに作者の正確な観察の目と「遊び心」を感じ好感が持てます。

 「今日のことば」
         若いうちは学び、
         年をとったら理解する。
         (マリー・エブナー)

          遅咲きのさくら抱きて山笑ふ  

                     抱(いだ)き

 

木魚歳時記 第3038話

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 ものごとは心にもとづき、心を主として、心によってつくり出される。もし清らかな心で話したり行ったりするならば、福薬(ふくやく)はその人につき従う。影がそのからだから離れないように。(ダンマパダ)

 「ボクの細道]好きな俳句(794) 正木ゆう子さん。「オートバイ内股で締め春満月」(句集『静かな水』) 華奢(きゃしゃ)な体躯をした作者(当時)が、大型自動二輪にうち跨る映像を思い浮かべておもわず<にんまり>としたものです。しかし残念でした。(作者の弁によれば)とあるところで(恋人を乗せ)疾走するライダーの雄姿を見て詠まれた作品だそうです。俳句は、作者の思いと離れ、読者がいろいろと想像をたくましくして読み取ることが出来るところが楽しいのです。

 「今日のことば」
         わたしたちのつとめは、
         この素晴らしい世界に
         なにか貢献すること。
          (イブ・アーデン)

        チューリップ空に向かつてまつすぐに