木魚歳時記第4604話

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 頼朝の軍列は凱旋入場式にも似た一種の示威行進であった。先駆三列、百八十余騎、後騎同じく三列、百五十余騎、その中央に、頼朝は折烏帽子に染絹紺青丸打ちの水干袴(すいかんばかま)に紅衣をつけ、染羽野箭(やせん)、夏毛行縢(むかばき)という装いで黒馬に跨(またが)り、さすがに威容迫らず悠然と上京して、燭(しょく)をとるころ、三条の西に鴨川に沿うて南に下り、頼盛の旧居池殿の池に設けた六波羅の新亭に入った。(佐藤春夫『極楽から来た』)1244

       もういちど散歩に出かけ秋の昼    

 「ボクの細道]好きな俳句(2342) 摂津幸彦さん。「水枕干されて海の駅にあり」(幸彦) 「水枕」は発熱の時などに用いるあれでしょうか? だだし、海辺の駅のことですから、レジャー用具のことかも知れません。「干す」とありますから、季感は夏だと思います。突然の体調の急変など、何か不吉な匂いのただよう作品です。

愛の痛みが人を熟成させる
(ヘルマン・ヘッセ)