木魚歳時記 第3609話

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 根本中堂前の広場に集まったのを、これが音に聞く僧兵というものかと少年は目を見はった。
 それにしても三塔六谷を霞のこめたこののどかな日に、これは何ごとが起ころうとしているのかと、人々の語り合うのに耳を傾けると、
(佐藤春夫『極楽から来た』)311

              居眠れる老女溶けたり冬日向
      
 「ボクの細道]好きな俳句(1359) 杉田久女さん。「張りとほす女の意地や藍ゆかた」(久女) 大虚子への反発でありましょう。尊敬する大虚子と久女さんの軋轢(あつれき)は巷間伝えらえるところであります。橋本多佳子さんとも引けをとらないほどの才能を秘めながら、久女さんへ女流俳人としての檜舞台は訪れることがなかった? しかし、久女さんの作品は永遠不滅に輝きます。