木魚歳時記 第3567話

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 陸の旅とて山賊がいないでもないが、治安ならこの方が多少よいが、はるばると野山に草枕の困難は家枕の非ではない。子を思う母の案じわずらうのも道理である。
(佐藤春夫『極楽から来た』)270

      春の昼鶏のまぶたのゆるむころ

 「ボクの細道]好きな俳句(1317) 木下夕爾さん。「冬凪や鉄塊として貨車憩ふ」(夕爾) 貨物列車の操車場の風景でありましょう。待避線に止まったまま置かれてある貨車、これはいつ動き出すのでしょうか? それはもう鉄の塊(かたまり)としか映りません。「冬凪」(ふゆなぎ)の季語が効いています。