「それで当人も希望している様子も見えますし、一日も早く都へ上がらせて学ばせたいとわたくしは考えていますが、このことをご承引(しょういん)くださいますまいか」
(佐藤春夫『極楽から来た』)262
鳰の巣といちいちふれて歩くのは 鳰(にお)
「ボクの細道]好きな俳句(1309) 木下夕爾さん。「ネオン赤き露の扉にふれにけり」(夕爾) 外国の古びた石畳の小路が思い浮かびます。夕爾さんの作品ですから、日本のさわがしいネオン街を連想したくないのです。赤いガス灯がかすかに灯り、そのほの明りに浮かぶ入口の扉は、夜露に濡れ、密やかに、訪れる人を待ちうける。ボクもそんな扉に触れてみたい・・