木魚歳時記 第1626話

f:id:mokugyo-sin:20140111101257j:plain

    死者あまた卯波より現れ上陸す  眞鍋呉夫

 他に{青き夜の猫がころがす蝸牛}{蛤の舌だす闇の深さかな}{骨箱に詰めこまれゐし怒涛かな}などの作品があります。この方は東北ご出身で、長らく散文作家として活動されていたようです。平成22年90歳で第44回蛇笏賞を受賞されるなど俳人としての頂点を極められた凄い作家です。この年齢でこのような作品を詠まれるなど惹かれる作家です。森澄雄さん亡き今いなっては金子兜太さんと双璧をなす意味で貴重な方です。

        鐘凍る紫野北蓮台町