木魚歳時記 第1613話

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  鳥の巣に鳥が入ってゆくところ  波多野爽波

 きらきらしたことばのかがやきも、ドキドキするような内容のめずらしさもありません。親鳥が、抱卵か給餌のためでしょうか、茂みにこしらえた巣の中に入ってゆくところです。その後ろ姿の一瞬をとらえただけの俳句です。このように「頭の作用をともかく排除して、そして、予期もせぬものといかにして出会えるかそれがすべて」。と作者の弁にありました。

       天下和順日月清明初山河