木魚歳時記 第53話

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祠から 隠遁の術 神の旅

 「木魚のおっちゃん、あたい肝を冷やしました」。豆八姐さんからメールがありました。お家の<たたき>に青大将が落ちてきたのです。ぼっとん、と。天井の梁から足を踏み外したらしい。「蛇足だけど、あたい、長いものは嫌いです」。と書いてありました。

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 「足を踏み外すとか、蛇足とか…ヘビにも足が?」。そこで、ぼくは考えました。あわてん坊がいて、オス蛇君の<おまけ>を見て足と早合点した(平常時、ヘビの<おまけ>は格納庫に仕舞ってあります)。そのときから、余分な?<おまけ>のことを蛇足と呼ぶのです。ヘビ君も好き好んで<おまけ>をつけ、それから<にょろなが>に生まれたのでありません。大嫌いと決めつけるのは可哀そうです。そんなのを「怨憎会苦」(おんぞうえく)というのです。つまり「嫌な人には会いたくない」と避けて通るのとおなじです。「余計なものが未来を生む」ことも多いのです。 そこで、お師匠の一句を
 「フトン中 不貞寝ワン公が クシャミする」