そこで卜(ぼく)し得た春うららかな吉日を観覚は童子を率いて山を下り、先ず倭文錦織(しどりにしごり)の家に姉を誘って稲岡へ出た。稲岡では父時国の墓前に勢至丸の上京修行の報告をして、一同しばらく尽きせぬ涙をたむけた。(佐藤春夫『極楽から来た』…
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