木魚歳時記 第3690話 

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 「ごらん下さい、如来さま。源空は大の愚か者でございます。しかし、今夜おん足もとに伏して帰依し奉る人々とても決してみながみな、源空以上の利根の人ばかりとは限りませぬ。衆生のため抜苦与楽(ばっくよらく)の如来は源空やそれに類する下根(げこん)の者のために戒定慧(かいじょうえ)のほかにどんな法門をお残し下さいましたか。それをお示し下さい。源空が日夜たずねわずらうのはそれでございます」
(佐藤春夫『極楽から来た』)387

        姫君の袖に秘めたる懸想文  懸想文(けそうぶみ)

 「ボクの細道]好きな俳句(1441) 今井 聖さん。「苗代に満つ有線のビートルズ」(聖) 昔、ビートルズが流行し頃を回想しての作品でしょうか? さて、深海に生息するアンコウウオ(鮟鱇魚)の種類において、オスは、メスと遭遇すると、メスの体にかみつき、そのまま、組織とか血管がメスと合体します(接ぎ木のようなもの)。最終、オスは、図体の数十倍以上でかいメスの突起物(イボ)に変身するそうです! それにしても、アンコウウオのオスて可愛いい(笑)。

 

木魚歳時記 第3689話 

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 法然は板の間の片隅にひじ枕して周囲の状況を見つつ、この混乱の末世にもここにこれだけの秩序のあるのも瑞像の前なればこそと有難く思い、彼は人の寝静まったなかで眠りもせずそぞろに僧奝然の生涯と子の志を励ましたその母とを思い、またひとり心中に瑞像と語りつづけた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)386

        右左どちら向いても雪の道

 「ボクの細道]好きな俳句(1440) 今井 聖さん。「鍵ひとつ握らせてゐる花の下」(聖) 恋人同士なのでしょう。花の下で抱擁し、部屋の鍵をそっと手渡すシルエットが浮かびます。さて、アライグマは食物を洗って食べる? 実は、そうではないようです。アライグマは目が悪いので、手探りで食物を探す習性があり、それが、食物を洗って食べる行動と誤解されたようです。ところで、ヒマですから! S氏も、最近、食後の食器洗いを続けています(笑)。

 

木魚歳時記 第3688話 

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 夜が更けるにしたがって帰る者は帰り、参籠する者はそれぞれに参籠の場をえらんだ。人々はみな平等のなかに差別を知り、自由のなかに自然の律があって、男女、貴賤は争うこともなく類をもって集り、分によって場所を譲り合い分かち合っておのずからの秩序があった。
 夜更けて来た乞食らしいのは、瑞像の前で礼拝すると、直ぐ板の間から引き下がり、入口の土間に身を横たえてのもあった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)385

        花見小路ニャアの顔した傀儡師  傀儡師(かいらいし)

 「ボクの細道]好きな俳句(1439) 今井 聖さん。「電話ボックス冬の大三角形の中」(聖) 公衆電話でしょう。夜更け。通行するものが途絶えた中にぼんやりともっている。ふと、見上げる空に冬の「大三角」(星座)が・・さて、南アメリカの熱帯雨林に棲むヤビイヌは逆立ちして、樹木などにおしっこをかけるそうです。より高いところにマーキングをキープすることで、個体(オス)の優位性を主張するのが目的だそうです。S氏は、最近、座り小便なる「しつけ」をキープしています(笑)。こんなコトで人類目オスの未来は果たして? なんてたいそうな!

 

木魚歳時記 第3687話 

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 板の間や置畳の上にそれぞれ座を占めた人々は、互いに寒暑のあいさつや世間話さては信心ばなしを取り交し、何やら高らかに物語るのもあり、あたりをはばかる小声もあり、知るも知らぬもうちとけて親しげに、彼らは夕飯後をここに集まって心のなごむ一種の社交場やまた一夜の安眠の宿をここに見出しているかに見えた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)384

        流氷がきれいな夢をくれました

 「ボクの細道]好きな俳句(1438) 今井 聖さん。「返球の濡れてゐたりし鰯雲」(聖) 草野球でしょう。外野からの返球が草の露に濡れています。晴れ渡った空には鰯雲が・・さて、野生のゾウは一生に歯が5回も生え変わるそうです。それでも、60年ほどですべてすり減って無くなってしまうそうです。その時、ゾウは「象の墓場」に向かうそうです。ところで、S氏も、昔、シソウノウロウ、とかで、歯を6本抜きました。残りもだいぶん弱って来ています(汗)。

木魚歳時記 第3686話 

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  お堂は夜に入っても人は散ぜず、灯明に照らし出されてほのかな瑞像の前に昼間と同じように去来して礼拝するさなざまな姿は、法然の眼には、さながらわが心中の過去、現在、未来のさまざまの悲しみそのものの映像かと見えた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)383

        断崖の水仙そろそろ咲き出すぞ

 「ボクの細道]好きな俳句(1437) 今井 聖さん。「いつまでも捕手号泣す蜥蜴消え」(聖) 草野球の試合に負けたのでしょう。悔し泣きする捕手、蜥蜴(トカゲ)の取り合わせが軽妙です。さて、ニュージーランドやその周辺に棲む「カカポ」という鳥は、60センチにも大きくなるそうです。しかし飛ぶことができません。天敵がいないので飛ぶのをやめそのため筋肉が退化して、かわりに肥満体に退化したそうです。S氏も、運動不足で、筋肉が減り、いささか内臓脂肪が増えたようです。そのうち「バカカ」(笑)といわれるくらいに退化するかも(汗)。

 

木魚歳時記 第3685話 

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 昼間のうららかな空は、夕方に入ってうす雲がひろがったところへ、この山かげの地は日のくれが早いのか、それとも宿坊ではほんの小時間と思ったのが案外長かったものか、暮れなずむはずの晩春首夏の一日は、早たそがれのやみが濃く、七,八日ごろの片破れ月がうるおいをおびて空にあった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)382

        短日の上がる下がるや京の町

 「ボクの細道]好きな俳句(1436) 今井 聖さん。「梅雨明けの鶏を追ふ歩幅かな」(聖) 鶏は、追えば逃げ、追うをやめれば止まる。まるで、鶏に遊ばれているようです。さて、クラゲ、あのふわふわと漂う海月(くらげ)のことです。クラゲは口と肛門(こうもん)がおなじブイ(部位)付いているそうです。嗚呼。S氏が、クソもミソも一緒にしたような俳句を作るのと似ています(汗)。嗚呼。それにしても、いったい、いつまでこのブログ(俳句)を? 続けて読んで下さる方もあるようで? ありがたいことです。



木魚歳時記 第3684話 

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 格別美しくもなかったのに、法然は何やら不思議と心ひかれる思いがあった。久しぶりに山を下りて異性がめずらしかったのかも知れないが、それならば太秦の秦家でも見かけた幾人かの若い婦人に対しては何ら心も動かなかったのに、この老女になつかしみおぼえたのは、やはり母への思慕の変形かと思いつつ、法然は再び釈迦堂へもどった。
(佐藤春夫『極楽から来た』)381

       初雪をキックキックと狐の子

 「ボクの細道]好きな俳句(1435) 今井 聖さん。「枯芝に置きて再びピアノ運ぶ」(聖) わが家に運び込もうとするピアノを、一旦、芝生のところに置いてから、つくづく眺めそれから定めた場所に運びこんだ。心理描写に巧みな俳人です。さて、クジャクが、あの美しい羽(はね)をひろげるのは、もちろん、オスがメスに気に入られるためのパホーマンスです。以外、何の役にも立ちません。むしる邪魔になるだけです(と思います)。S氏も、ブログを続けますが「しんきくさい」ので誰も覗こうとしません(笑)。