木魚歳時記 第3023話

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 (十六学生の質問の結語)(バーヴァリがいった)、「ビギャンよ。そなたは、知恵豊かなゴータマ(ブッダ)、叡智ゆたかのゴータマのもとから離れて住むことができるのか?」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(778) 坂田淑子さん。「春愁や聖書の上のルームキー」(淑子) 聖書の上にルームキーが載せてある。ただそれだけのことです。ただし、それは「偶然」ではない? 聖書の上に「もの」など置くはずがない? そんなことをいろいろ考え始めると面白い! それにしても、「聖書」と「ルームキー」の取り合わせは謎めいています。この謎を解くのは「春愁」の季語にあるのでは?

 「今日のことば」
         私は、人生の岐路に立った時、
         いつも困難なほうの道を選んできた。
         (岡本太郎)

         アマリリス眺めとぼとぼ歩きかな

 

木魚歳時記 第3022話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(バーヴァリのもとに帰って)いった。「かれ(ブッダ)は即時に効果の見られる、時を要しない法、すなわち煩悩(ぼんのう)なき妄執(もうしゅう)の消滅をわたくしに説示しました。かれに比すべき人はどこにも存在しません。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(777) 三橋鷹女さん。「鞦韆(ふらここ)は漕ぐべし愛は奪ふべし」(鷹女) 鷹女さんには、激しい(そう感じる)作品が多いようです。まあ、鷹女(たかじょ)という俳号からしてもそうです。 しかし、どちらかといえば、ボクは、こうした激しい作品に魅かれるようです。男性的な女性に曳かれるようです(汗)。

 「今日のことば」

         自分になにができるかを知るより、
           なにができないかを知ることのほうが重要よ。
         (ルシル・ボール)

          これやこの一つ歪みしチューリップ 

木魚歳時記 第3021話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャさんは(バーヴァリのもとに帰って、復命して)いった。「かれ(ブッダ)は独りで煩悩の暗黒を払って坐し、高貴で、光明を放っています。ゴータマ(ブッダ)は叡智ゆたかな人です。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(776) 秋元不死男さん。「蝿生れ早や遁走の翅使ふ」(不死男) 蛇もそうですが、蠅はどうしてこうも嫌われるのでしょうか? 蠅叩きとならないように、ハエは赤ちゃんの時から逃げることを具えているのです。ヘビも爬虫類ながら「半卵生」で生まれるのもそうです。自然界の「掟」(おきて)は厳しいのです。

 「今日のことば」
         自分の力に合うことだけしろ、
           その他の事は、
         おのずと道が開けてくるまで待て。
          (武者小路実篤)

           朔日のホットリップス四月馬鹿 

                         朔日(ついたち) 

 

木魚歳時記 第3020話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(バーヴァリのもとに帰って)いった。「ゴータマ(ブッダ)の教えよりも前に『以前はこうだった』『未来にこうなるであろう』と伝え聞いた教えは、すべて思案の紛糾(ふんきゅう)を増すのみ。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(775) 高浜虚子さん。「春風や闘志いだきて丘に立つ」(虚子) 虚子さんの代表句とされます。碧梧桐の新傾向俳句との対決の決意し、俳誌『ほとゝぎす』を引き継ぎ、これに俳句だけでなく和歌、散文などを加えた「俳句文芸誌」として世に問う決意を表明した頃の作品とされています

 「今日のことば」
         キャリアではない。 

         私の人生なんだ。

         (スティーブ・ジョブズ)

         微笑めば鏡もわらふ春の昼

木魚歳時記 第3019話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(師バーヴァリのもとに帰って)いった。「たとえば鳥が疎(まばら)な林を捨て果実の豊かな林に住みつくように、わたくしもまた見ることの少ない人々を捨て、白鳥のように大海に到着しました。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(774) 阿部完市さん。「山ごーごー不安な龍がうしろに居り」(完市) アベカンさんの俳句は面白い。こんな俳句は理屈で考える必要はありません(そう思います)。読者は、物語の世界に迷い込んだつもりで、不安と怖いもの見たさの、わくわくする気持ちになればそれで充分です。なにせ龍も「不安」なのですから! 龍を恐れることはありません。

 「今日のことば」
         人は、運命を避けようとしてとった道で、
         しばしば運命にであう。
        (ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ)

           春めくや雲と羊と楱の木と 

                      楱(はん)

木魚歳時記 第3018話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(バーヴァリのもとに帰って)いった。「暗黒を払う目ざめた人(ブッダ)は、一切の迷いの生活を超えた人、汚れのない人、一切の苦しみを捨てた人、かれは真に目ざめた人と呼ばれるにふさわしい。わたしはかれに近侍(きんじ)しましょう。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(773) あざ蓉子さん。「人間へ塩振るあそび桃の花」(蓉子) 「塩振るあそび」は比喩であるとしても、なんとも凄まじい! 「桃の花」は取り合わせであるとしても、なんとも凄まじい! 最近の流行語に「保育園落ちた日本死ね!」がありました。俳句はもとより「ことばの限界」について気になる昨今です。

 「今日のことば」
         蝶はモグラではない。
           でも、そのことを残念がる蝶はいないだろう。
         (アインシュタイン)

          街道を行き交う人や比良八荒

 

木魚歳時記 第3017話

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 (十六学生の質問の結語)ビンギャは(バーヴァリのもとに帰り)いった。「垢(あか)と迷いを捨て、高邁(こうまい)と隠し立てとを捨て去った(ブッダ)を讃嘆(さんたん)することばを」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(772) 星野 椿さん。「海匂ふ遅日の町につきにけり」(椿) 椿さんの作品には独特の抒情があります。なにか、蕪村の作品をふと思い出したりいたします。ありがままに景が浮かんでくるのです。これを詩的センスというのでしょうか? お人柄というのでしょうか? ともかく「海匂ふ」が強く迫ります。

 「今日のことば」
         人生は学校である。 

         そこでは幸福より不幸の方が

         良い教師である。
        (フリーチェ)

         老僧のラップリズムや春隣