木魚歳時記 第3000話

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 (学生モーガラージャの質問)モーガラージャがたずねた。「シャカ族の方(ブッダ)に二度お尋ねしました。しかし、眼(まなこ)ある方(ブッダ)は説明してくださいませんでした。神仙(ブッダ)は、三度目のこの機会ですから、きっと説明してくださるでしょう。」( スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(755) 石田郷子さん「梅干すといふことひとつひとつかな」(郷子) 郷子さんの俳句は楽しい。さて『木魚歳時記』の風評です。おしなべて「写真がきれいですね!」。そこで「文章とかは?」と迫ると「・・・・」。つまり<あかん>のです(汗)。「むつかしいことやさしく。やさしいことをより深く。より深いことを楽しく。」(井上ひさし)。余日のあるかぎり『木魚歳時記』ぼつぼつ楽しく続けてまいります。

 「今日のことば」
           一つのことを、
           一生やり続けられると
         確信する日がくる。
         (スティーブ・ジョブズ)

         いぬふぐりほどに怪しき童かな

                   童(わらし)

木魚歳時記 第2999話

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 (学生ボーサーラの質問)師(ブッダ)は答えた「無所有の成立するもと、すなわち『歓喜は束縛である』ということを知ったそのバラモン(修行者)には、(ありのままに知る)智が存在する。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(754) 岡本 眸さん。「日曜といふさみしさの紙風船」(眸) ある年齢になると(とりわけ独り暮らしの生活なら)一日が早く過ぎるように感じるのでしょう。たしかに、平日と週末(土日)の<めりはり>がなくなる気もします。そんな時には、子どもの頃を思い出し、紙風船でも折ってみましょうか!

 「今日のことば」
         一人でいるのは賑(にぎ)やかだ
            誓って負け惜しみなんかじゃない
         一人でいるとき淋しいやつが
         二人寄ったら なお淋しい
         (茨木のり子)

         風びゆうびゅう又三郎の卒業す

 

木魚歳時記 第2998話

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 (学生ボーサーラの質問)師(ブッダ)は答えた「ボーサーラよ。すべての(識別作用のありさま)を知りつくした全き人(ブッダ)は、かれ(修行者)の存在を知っている。すなわち、かれ(修行者)は解脱(げだつ)していて、それをよりどころにしている。」(スッタニパータ)

 ボクの細道]好きな俳句(753) 大野林火さん。「城ある町亡き友の町水草生ふ」(林火) 旧友はすでに亡くなられたのでしょう。かって亡き友が住んだその町は城下町であった。(作者は)その町を久しぶりに訪れた。城下町のどこを探しても旧友の姿はない。しかし、お堀には、昔のままに「水草」(みずくさ)がおい茂っていた。

 「今日のことば」
         雪のうちに
         仏のみ名を称ふれば
         積もれる罪ぞ
         やがて消えぬる
         (法然上人)

         春めくや雀群がる加茂街道

木魚歳時記 第2997話

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 (学生ボーサーラの質問)ボーサーラがたずねた。「物質的なかたちの想いを離れ、身体をすっかり捨て去り、内にも外にも『なにものも存在しない』と観ずる人(修行者)の智を、知りたいのです。シャカ族の方(ブッダ)よ。そのような人(修行者)はさらにどのように導かれねばなりませんか?」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(752) 岩田由美さん。「春なれや水の厚みの中に魚」(由美) 春の小川は水かさが増して流れます。そんな小川の中に、はや、うごきはじめた魚影を見たというのです。水かさの増したことを「水の厚み」と切り取ったのはさすがです。17文字の中に作者のやさしい気持ちが感じ取れて楽しい作品です。

 「今日のことば」
         今日を
         自分の最高に生きる 
         (石川 洋) 

          囀りやカアと鴉の勘左衛門

 

木魚歳時記 第2996話

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 (学生ボーサーラの質問)ボーサーラがたずねた。「過去のことがらを説示し、悩み動揺することなく、疑惑を断ち、一切の事物を究めつくした師(ブッダ)におたずねするためにここにきました。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(751) 関 悦史さん。「灯らぬ家は寒月に浮くそこへ帰る」(悦史) 気鋭の作家です。それはともかく、空には寒月が、我が家には「あかり」が灯らない(無人)。そんな家(うち)であったとしても、足は我が家ほ方に向かうものなのです。ふと、山頭火さん、放哉さんの作品のことを思い出します。

 「今日のことば」
         いやな人が
         明日の大切な友となる 
         (石川 洋)

         囀りを容れて大樹の仁王立ち

 

木魚歳時記 第2995話

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 (学生ウダヤの質問)師(ブッダ)は答えた「内面的にも外面的にも感覚的感受を喜ばない人、このようによく気をつけて行っている人の識別作用は止滅(しめつ)する。」(スッタニパータ) 

 「ボクの細道]好きな俳句(750) 山口誓子さん。「スケートの紐むすぶ間もはやりつゝ」(誓子) 「瞬間」をみごとに切り取り、しかも「はやりつゝ」という絶妙の措辞(そじ)を用いて成功した作品です。やはり、誓子さんは俳句の神様です。紐を結ぶ「もどかしさ」この間の、ときめきとドキドキは誰にでも経験があるものです。この共通認識が素地に在ってこそ作品は成功するのです。

 「今日のことば」

           笑顔に 

        開運の 力あり

        (石川 洋)

             黒板に「わたし」と書いて卒業式

木魚歳時記 第2994話

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 (学生ウダヤの質問)ウダヤがたずねた。「どのようによく気をつけて行っている人の識別作用が、止滅(しめつ)するのですか? それをおたずねするためにわたくしはやってきたのです。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(749) 草間時彦さん。「味噌汁におとすいやしさ寒

卵」(時彦)  こうした(いやしさ)はボクも日常茶飯事です(汗)。(味も見ないで)塩鮭にお醤油をかけたり! カレーライスに生卵を二つも入れたり! 鰻丼(山椒添え)に、さらに七味唐辛子をふったり! そのつど大黒さんに睨まれています。そうです、ボクは、「蛇足」(だそく)の達人、下司(げす)のきわみなのです(汗)。

 「今日のことば」
         中心はいつも 一念不動 
         天地をつらぬけ
         (石川 洋)

         山猫と又三郎の卒業式