木魚歳時記 第2993話

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 (学生ウダヤの質問)師(ブッダ)は答えた「世人は歓喜に束縛されている。思わくが世人をあれこれ行動させるものである。妄執(もうしゅう)を断ずることによって安らぎが得られる。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(748) 小川軽舟さん。「灯火親し英語話せる火星人」(軽舟) 「春灯」(しゅんとう)とあります。春の宵ともなれば、こんなことを考えるのでしょうか? さて「英語話せる火星人」とは? これは、日本人の一般的感覚からはあまりにもかけ離れた存在です。でも「英語話せる火星人」なんて、すごく興味を引かれる表現です。庶民的羨望を背景に、それを巧みに用いて成功した作品です。

 「今日のことば」
         集団の理想と
         自分の良心を
         取りかえるな
         (ヘルマン・ヘッセ)

         空し世の迦陵頻伽よ百千鳥 

             空(あだ)し  迦陵頻伽(かりょうびんが)

 

木魚歳時記 第2992話

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 (学生ウダヤの質問)ウダヤがたずねた。「世人は何によって束縛されているのですか? 世人をあれこれ行動させるものは何ですか? 何を断ずることによって安らぎ(ニルバーナ・涅槃)があると言われるのですか?」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(747) 石原八束さん。「泣きに来し子の坐りたる冬座敷」(八束) 「孫」俳句は面白くない。その定石でいうならば、これは例外です。母親に叱られたのでしょうか? 爺ちゃんのいる冬座敷の処にきて、眼をこすりながら泣きじゃくる孫を見ると爺ちゃんはお手上げです。どうする術(すべ)もありません。それだけの作品です。「子」を「孫」と読むのは無理か?

 「今日のことば」
         自分自身を信じてみるだけでいい。
         きっと、生きる道が見えてくる。
         (ゲーテ)

          丑三つに唇ひらく紙ひいな   

                      丑三(うしみつ) 

木魚歳時記 第2991話

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 (学生ウダヤの質問)師(ブッダ)は答えた「平静な心がまえと念(おも)いの清らかさ、それらは真理に関する思案にもとづいて起こるものである。これが無明を破ること、正しい理解による解脱(げだつ)である。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(746) 高野ムツオさん。「象を呑む蛇の話や冬籠」(ムツオ)「象を呑む蛇の話」は寓話かと思います。「冬籠」(ふゆごもり)の季語と二物衝撃(にぶつしょうげき)させ、ミステリアスな世界を描いて成功した作品です。さて、ボクも、寓居に移り2年半が過ぎました。日々、清流を眺め亀を鳴かせて遊ぼうと考えながら、相棒を泣かせて困らせています。

 「今日のことば」
         人間のほほえみ、
         人間のふれあいを忘れた人がいます。
         これはとても大きな貧困です。
          (マザー・テレサ)

         菜の花をよぎる列車の長すぎる

 

木魚歳時記 第2990話

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 (学生ウダヤの質問)師(ブッダ)は答えた「ウダヤよ。(解脱を求めるには)愛欲と憂いを捨てること。沈んだ気持ちを取り除くこと。悔恨(かいこん)をやめること。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(745) 河原枇杷実。「後ろより死は覗くらむ根深汁」(枇杷実) 「根深汁」とは、葱(ねぎ)をいれた汁のことです。独りくらしの男が風邪の微熱を取るために根深汁を作り啜っている。そこに背後から死神が近づき深汁の椀を覗き込もうとしている。と、そんな映像が浮かんできます。

 「今日のことば」
         すべてを今すぐに知ろうとは無理なこと。
         雪が溶ければ見えてくる。
         (ゲーテ)

         春めくやひどく眠たい石地蔵

 

木魚歳時記 第2989話

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 (学生ウダヤの質問)学生ウダヤがたずねた。「瞑想に入って坐し、煩悩の汚れなく、一切の事物の彼岸に達せられた(師)におたずねします。無明(むみょう)を破ること、解脱(げだつ)について説いてください。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(744) 能村登四郎さん。「改札に人なくひらく冬の海」(登四郎)「無人駅の人気のない改札を通れば冬の海が広がっていた。」そんな景が浮かんできます。海岸線に山並が迫るようなところを縫って走るローカル線のひとり旅も、また、過ぎた「思い出」をめぐらせるにはぴったりです。

 「今日のことば」
         速度を上げるばかりが、
         人生ではない。
        (ガンジー)

         探しもの見つけましたか二月尽

木魚歳時記 第2988話

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 (学生バドラーブダの質問)師(ブッダ)は答えた「修行者は明らかに知って、よく気をつけ、全世界において何ものにも執してはならない。死の領域に愛着を感じている人々を(執着ある人々)であると観(み)て。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(743) 西宮 舞さん。「着ぶくれて強情・頑固・石頭」(舞) まるでボクのことです。坊主ながら、執著(しゅうじゃく)に、人一倍にとらわれるアホウです。つまり、強情・頑固・石頭なのです。ですから、執著(しゅうじゃく)に人一倍にとらわれるタイプです。つまり、強情・頑固・石頭なのです。『スッタニパータ』(ブッダの言葉)を毎日ご紹介しながら「執著」(しゅうじゃく)の日々を過ごしています。嗚呼。

 「今日のことば」 

            夢中で日を過ごしておれば、

         いつかはわかる時が来る。

         (坂本龍馬) 

           某のそぞろ歩きや梅の頃

                       某(なにがし)

 

木魚歳時記 第2987話

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 (学生バドラーブダの質問)師(ブッダ)は答えた「バドラーブダよ。上にも下にも、横にでも中間にでも、執著(しゅうじゃく)をすっかり除き去れ。世の中の何者に執著しても、それによって悪魔が人につきまとう。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(742) 桂 信子さん。「切りむすびたきひとのあり寒稽古」(信子) 作者自身の体験ではない(と思います)。寒稽古(剣道)の場面を想定して、作者の心のうちを17文字に託されたのでしょう。ボクは、剣道のことはわかりません。しかし、寒稽古は真剣勝負ではありません。お稽古なら「切りむすびたき」人の一人や二人おられても問題はありません。職場などでそんなことも!

 「今日のことば」 
         尊厳を保つためには、

         金は必ずしも必要ではない。

         (ガンジー)

          早春の銀河鉄道999  

                                                           999(スリーナイン)