木魚歳時記第4037話

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 隆房が中宮のお返事をいただいて急に退出するというので、このまま帰すのも興がないことだと思い、扇のはしを折り取って、それに次のような歌を書いて渡させた。
   かくまでも情つくさでおほかたの花と月とをただ見ましだに
 少将はこの歌を、そば恥ずかしいほどに朗詠し誦吟し、さて硯をとって、
(佐藤春夫『極楽から来た』)705

       笑茸笑ひ川蝉わははは   茸(たけ)

 「ボクの細道]好きな俳句(1783) 有馬朗人さん。「柚子風呂に聖痕のなき胸ひたす」(朗人) 「聖痕のなき」とは? まさかイエスの十字架刑? そうでなければ、誰に対して何が? まあ、誰にでも、心の底を叩けば懺悔(さんげ)したいことの、一つや二つはあるものです(汗)。皆、無事で今日を過ごせるのは仏さまのご加護のお蔭です。

 葡萄畑(ぶどうはたけ)1  どの株も、添え木を杖(つえ)に、武器携帯者。 いったい、何を持っているのだ。葡萄の実は、今年はまだなかなか生(な)るまい。そして葡萄の葉は、もう裸体にしか使われない。(ルナール『博物誌』より)