木魚歳時記 第3267話

f:id:mokugyo-sin:20171204063818j:plain

 「今日のことば」
    固(もと)より急ぐ旅でないから、
    ぶらぶら七曲りへかかる。
    たちまち足の下で雲雀の声がし出した。
    せっせと忙しく、絶間なく鳴いている。
    山を越えて落ちつく先の、今宵の宿は
    那古井(なこい)の温泉場か。
     (夏目漱石『草枕』)抄3

 「ボクの細道」好きな俳句(1018) 藺草慶子さん。「目つむれば何もかもある春の暮」(慶子) 「目つむれ」。これでいろんなことが想像できます。さて「俳句はなるべく具体的に」と教えられました。それはその通りだと思います。しかし、読者が、いろんな読み方ができるのもまた楽しいものです。とりわけ、うきうきするような「春の暮」に瞑想をするなど粋なものです。

       綿虫のふはりふはりと雲母坂 

                     雲母(きらら)