「今日のことば」
固(もと)より急ぐ旅でないから、
ぶらぶら七曲りへかかる。
たちまち足の下で雲雀の声がし出した。
せっせと忙しく、絶間なく鳴いている。
山を越えて落ちつく先の、今宵の宿は
那古井(なこい)の温泉場か。
(夏目漱石『草枕』)抄3
「ボクの細道」好きな俳句(1018) 藺草慶子さん。「目つむれば何もかもある春の暮」(慶子) 「目つむれ」。これでいろんなことが想像できます。さて「俳句はなるべく具体的に」と教えられました。それはその通りだと思います。しかし、読者が、いろんな読み方ができるのもまた楽しいものです。とりわけ、うきうきするような「春の暮」に瞑想をするなど粋なものです。
綿虫のふはりふはりと雲母坂
雲母(きらら)