木魚歳時記 第614話

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 仏像が造られ、伝えられ、信奉されてきた・・その在り方については、時代や地域により大きな相違があります。しかし、共通していえることは、もし「仏像の存在」がなければ・・現在、日本に存在する仏教の在り方も大きく変わっていた可能性があります。

 仏像の成立は、釈迦滅後4、5百年を過ぎたころ、すなわち、紀元前の1世紀の末に、インドのガンダーラ地方に起こったガンダーラ美術に残る<釈迦像>が最初であるといわれています。その間は、釈迦(仏陀)を具体的な姿としてはあらはさず、菩提樹(ぼだいじゅ)、法輪(ほうりん)、仏足石(ぶっそくせき)、仏塔(ぶっとう)など、釈迦と関係の深い形象で代用し、それらにより釈迦の遺徳を偲んだようであります。したがって、釈迦滅後の約500年間は<無仏像>の時代であったとされます。

     大仏もおそれいったる春の塵