木魚歳時記 第536話

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 地獄が出たなら「閻魔」(えんま)さまも・・閻魔さまは、インドの文献はもとより、イランの聖典にも登場する古い神であります。

 イランやインドの古い文献や物語に登場する閻魔は、獄主、獄帝と呼ばれ、死者の生前の罪を裁く王と考えられていました。閻魔大王です。それが中国に伝わり、地蔵信仰や道教の俗信仰と習合して、あの目をらんらんと輝かせ、黒い冠をつけ、赤い衣装をまとった閻魔大王の姿が成立したといわれます。その閻魔信仰は日本に伝わり、日本各地に閻魔堂が建てられ、一月と七月の十六日の「縁日」(えんにち)には、「地獄のかまのふたも開く」と信じられたところから、昔は「薮入り」(やぶいり)と称して、里帰りした習慣もあったようです。この世の中に一つくらい、あんな怖いものが存在してもいいのでは・・

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