木魚歳時記 第240話

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老僧の 後ろに目あり 夏安居

 佛教大学を退職するとき、「心が自由となる暮らしがしてみたい。」なんて宣言をいたしました。そこで『西遊記』のパロディーのつもりで始めたのがこの『最遊戯』です。

 「ドーナツの真ん中には穴が<ある>。でも穴をよくみると、穴は<ない>。穴は<ある>けれども<ない>。<ない>けれども<ある>。」この小沢昭一さんの言葉は、けだし名言であると思います。しかし、こんな心境にはほど遠くおよびません。おそらくいつまでたっても無理でしょう。
 ともあれ、二年間毎週二回(月・木)、この『最遊戯』を延べ240回にわたり連載してきました。心が自由になる、こだわりを捨てると宣言しながら「こだわりを捨てることにこだわった。」そんな結果に終わりました。どうしようもない阿呆です…これもぼくの「業」(ごう)でしょう。
 ではつぎの『木魚歳時記』でのお出会を楽しみに、ご愛読に感謝しつつ、木魚ホームページ『最遊戯』を終了させていただきます。それではみなさま、さよなら。さよなら。さよなら。        無量子庵 木魚 敬白

   「足あとの 残らば残れ足跡の 
     消えなば消えね ひとり旅ゆく」(小笠原秀實)