(五)山峡の深夜は昼間の太鼓の音も絶え、天地は寂としてやみに包まれ、死んだもののようであった。丑(うし)の刻を約した村人たちは定刻をも待ち切れないで、手に手に得物(えもの)を携え預所の庭先に集まり群れた。(佐藤春夫『極楽から来た』)59 しば…
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