木魚歳時記 第2975話

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 (学生トーデイヤの質問)ブッダが答えた「トーデイヤよ。かれ(ブッダ)はなにものをも希望していない。かれ(ブッダ)は智慧のある人であるが、しかし智慧を得ようとする人ではない。トーデイヤよ。聖者はこのような人であると知れ。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(730) 榎本 享さん。「おはやうと言はれて言うて寒きこと」(享) 「おはようさん」「寒いなぁ~」と、大黒さん。「毎朝、同じこと、くり返のは<けったいや>」と、ボク。「会話やがな会話」「ハハハ」と、大黒さん。「おはようさん」の「さん」て何や? と、ボク。「・・・・」の大黒さん。今日も寒くなりそうです。 

 「今日のことば」 
         物事に敏感で自分なりの
            価値判断を持っていることを
        「細心」といいます。
         気が小さいことは人生の武器なのです。
        (斎藤茂太)

         真夜中に起き上がりたる寝釈迦かな 

                       寝釈迦(ねしゃか)

 

木魚歳時記 第2974話

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 (学生トーデイヤの質問)トーデイヤがたずねた。「かれ(ブッダ)は智慧があるのでしょうか? シャカ族の方(ブッダ)よ。かれ(ブッダ)が智者であることをわたくしに説明してください。あまねく見る方(ブッダ)よ。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(729) 鳥居真里子さん。「雪女郎です口中に角砂糖」(真里子) ほう、こんどは角砂糖ときましたか! 真っ赤な腰ひもを咥えた雪女ならゾクと奮い立ちますが雪女郎ともなれば「(コーヒーに)お砂糖は一つそれとも二つ?」それくらいのサービスはありそうです。そこで、ボクは「ほな、ボクちゃん二つ」と、すぐに調子に乗ります。その後が怖いことも知らず(汗)。  

 「今日のことば」 

         他人に対しては寛容に、
         自分に対しては不寛容であれ
           (ヘルマン・ヘッセ)

         鐘凍る三面六臂の大黒天  

                    六臂(ろっぴ)

木魚歳時記 第2973話

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 (学生トーデイヤの質問)ブッダが答えた「トーデイヤよ。諸々の欲望のとどまることなく、もはや妄執(もうしゅう)が存在せず、諸々の疑惑を超えた人、かれには別に解脱(げだつ)は存在しない。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(729) 鳥居真里子さん。「雪をんな紐一本を握りたる」(真里子) ふむ。(紐一本に)とは? 赤い紐であって欲しい。そこからさきは妄想をめぐらすよりしかたがありません。真紅の腰紐を咥(くは)へ、その両端を握りしめた雪女が(覆い)かぶさるように迫る、と、そこで夢はさめました。さておトイレにでも・・

 「今日のことば」 
         蝉の声にひたって
         自分を忘れる
         (ヘルマン・ヘッセ)

          海鼠から血がまつ青に垂れてゐる   

                      海鼠(なまこ)

木魚歳時記 第2972話

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 (学生トーデイヤの質問)学生トーデイヤさんがたずねた。「諸々の欲望のとどまることなく、もはや妄執(もうしゅう)が存在せず、諸々の疑惑を超えた人、かれはどのような解脱(げだつ)を求めたらいいのですか?」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(728) 日野草城さん。「重ね着の中に女のはだかあり」(草城) (都ホテルシリーズにとどまらず)あの時代に、こんな作品を臆せずにつくられ、発表された。草城さんに敬意を表します。ブログ作者もこうした作品をつくりたくて「うずうず」しますが、どうせ非力ですから下司(げす)の極みとなるでしょう。ですからかろうじて我慢しています(汗)。

 「今日のことば」  
         己を疑うな
              他人を疑うな

         天を疑うな        

        (石川 洋)

         青ざめてモナドを唄う冬の海

木魚歳時記 第2971話

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 (学生ヘーマカの質問)ブッダが答えた「ヘーマカよ。このことをよく知って、よく気をつけよ。現世において全く煩(わずら)いを離れた人々は、常に安らぎに帰している。世間の執著(しゅうじゃく)を乗り超えているからである。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(727) 寺山修司さん。「そこより闇冬のはえふと止まる」(修司) 歌人、劇作家でもある作者の俳句は、どこか一味違った趣があります。寒さで動きが鈍(にぶ)くなった冬の蠅(はえ)であったとはしても、闇、すなわち死の寸前においては、やはり、一瞬、立ち止まるのでしょうか? ブログ作者の身辺で、最近、訃報が目立つようになりました。

 「今日のことば」 
        むしろ「成功は失敗のもと」と逆に言いたい。
        その方が、この人生の面白さを
        正確に言いあてている。
         (岡本太郎)

         寒鴉おいおいおまへおまへもか

 

木魚歳時記 第2970話

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 (学生ヘーマカの質問)ブッダが答えた「ヘーマカよ。この世において見たり聞いたり考えたり識別した快美な事物に対する欲望や貪(むさぼ)りを除き去ることが、不滅のニルバーナ(涅槃)の境地である。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(726) 八田木枯さん。「夫婦となり空につめたき日が一つ」(木枯) 人智の極致。嗚呼。八田木枯さんにあこがれます。夫婦がつれ添って50年。なにを(おたがいに)理解しているのか? それは、不確かなところもあるかも知れません。しかし、妻と夫(つま)がつれ添って、お互い(この世に)大切な大切な存在であることに間違いはありません。

 「今日のことば」 
        苦しい時でも、
        とにかく笑っていろ。
        笑える余裕、ゆとりがないと
        判断を間違える。
         (藤森正路)

          公園にすずめ群がる冬の朝

 

木魚歳時記 第2969話

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 (学生ヘーマカの質問)ヘーマカがたずねた「聖者(ブッダ)さま。妄執(もうしゅう)を滅ぼしつくす法をわたくしにお説きください。それを知って、よく気をつけて行い、世間の執著(しゅうじゃく)を乗り超えたいのです。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(725) 野見山朱鳥さん。「人も子をなせり天地も雪ふれり」(朱鳥) 嗚呼。なんとおおらかな。こんな俳句が詠めれば幸せです。数10センチも積もる豪雪の中で家族の暖かい生活がある。外に目を転じると、また、深々と雪が降り積もり始めている。まさに大自然の営みです。最近、こうしたスケールの大きな俳句作品が少なくなりました。 

「今日のことば」 
        不幸からよきものを生み出そうとし、
        又生み出しえる者は賢い人である。
        与えられたる運命を
        もっともよく生かすということは、
        人間にとって大事である。
       (武者小路実篤)        

        なんといふこのなつかしさ竜の玉