木魚歳時記第4080話

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 自然は時々刻々の変化のために同じ道も常に目新しいと思いながらも、あまりに曲がりもない杉の下かげの道ばかりに、変化を求めて日によっては、四明岳や大比叡を踏破してみることがあった。健脚を急がして一時間、歩をゆるめて一時間半ばかりの散歩なのであったが、彼はこの歩上を思索のためのよい時間ともしていた。
(佐藤春夫『極楽から来た』)747

       この俺は狗日生れの八十三  狗日(くじつ)

 「ボクの細道]好きな俳句(1826-2) 稲畑汀子さん。「明るさは海よりのもの野水仙」(汀子) 淡路島の水仙峡のことを思い出します。なだらかに海に向けての斜面を、海の輝きに映え、水仙の群が咲き乱れていました。掲句は「野水仙」が色あざやかで描かれます。ところで、元日の「鶏日」(けいじつ)に始まり、狗日(1月2日)、七日の人日(じんじつ)に至るまで、七日間をそれぞれ動物(異称)にあてはめ(季語として)用いるようです。

  ふたりずれ、
  ぼんぷ、ふたりに、
  かわ(河)がある。
   『定本 妙好人 才一の歌』(楠恭編)