木魚歳時記 第3735話 

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(四)こういう無理をしてみ位に即けた近衛天皇であたが、御在位わずか十四年、
      虫の音のよわるのみかは過ぐる秋を惜しむわが身ぞ先ず消えぬべき
 と、十七歳の若さでおかくれになった。おん目の病からはじまって次第に衰えてなくなられたのであったが、さる口寄せ巫(かんなぎ)の死に口が、
「先年、我を呪って、愛宕山の天公像に目に釘を打った者があった。それでわが目がくらくなり命も終わったのだ」
 と語り出したのを法皇がお聞きになって、
(佐藤春夫『極楽から来た』)429

        春の夜のそこからさきはわからない

 「ボクの細道]好きな俳句(1485) 矢島渚男さん。「落葉して地雷のごとき句を愛す」(渚男) 落ち葉の頃ともなれば、うらさびしい気分がつきまといます。そんなときは、ネンテン(坪内)さんの俳句や、トウタ(金子)さんの豪快な作品を鑑賞してみたいものです。さて、ムササビ。ムササビは「空飛ぶリス」と呼ばれます。腹の被膜を広げて木から木へと滑空することが上手な生き物です。しかし、ムササビは、木から降りることは下手なようです。天は二物を与えずというか、生き残りに賭けた進化の謎というか、万物の棲み分けの妙というか、興味のあるところです。