これらの疑問はすべて、いかに聡明であったとはいえ、十一や十二の童子に解答の得られるものではなく、みなその生涯をかけて解決すべきものの萌芽なのであった。
寒さは身にしみわたるし、さびしさは山犬の牙のように心をかみ、童子の眼には涙がにじむ。
(佐藤春夫『極楽から来た』)181
浮寝鳥夢のつづきはつぎの世で
「ボクの細道]好きな俳句(1229) 石田波郷さん。「六月の女すわれる荒筵」(波郷) アワビとか、サザエを獲る海女さんは荒莚(あらむしろ)に据えたコンロなどで暖を取ります。また、海女さん潜っている間坐っていたところには、荒莚だけが敷かれて残っている。その景が見えきて素敵です。