「今日のことば」
やがて、粟粒のようなものが、
できはじめ、鼻は、
毛をむしった小鳥を
丸灸(やき)したような形である。
「この毛をぬけということでござる。」
と弟子は云う。
(芥川竜之介『鼻』)抄10
「ボクの細道」好きな俳句(1006) 大木あまりさん。「花こぶし汽笛はムンクの叫びかな」(あまり) 「ムンクの叫び」とは? あの名画のことを思い浮かべます。それに、白く咲きほこる、辛夷(こぶし)の花と、汽笛(きてき)と、この三つがそろえば、作者が何を何を示そうとしているのか? そんなことはもうどうでもよくなります。読者は好きなことを思い浮かべていればそれで充分です。