木魚歳時記 第2735話

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 (死ぬよりも前に) 師(ブッダ)は答えた。「かれには子も、家畜も、田畑も、地所も存在しない。すでに得たものも、捨て去ったものも、かれのうちには認められない。」(スッタニパータ)

 「ボクの細道]好きな俳句(498) 橋 閒石さん。「三枚におろされている薄暑かな}(閒石) 「薄暑」(はくしょ)が「三枚におろされている」とは! その発想の意外性に仰天します。やや汗ばむような ! それでいて肌寒いような! 本格的な暑さには至らない! それが季語「薄暑」の本意です。だからこそ「三枚におろされている」が生きてくるのでしょう。よく、「季語が動く」とかいいます。他の季語と入れ替えたとしても一句となる。そんな場合を指します。ですが掲句は、季語「薄暑」がうごきません。 

        蝙蝠の一匹じやない一群れだ 

                     蝙蝠(こうもり)