(さらにゴータマは答えた)「もしもこの世に誠実、自制、施与、耐え忍ぶよりもさらに優(すぐ)れたものがあるならば、他のものも広く学ぶであろう(道の人)すなわちバラモンどもに問え。」(スッタニパータ)
「バラモンどもに問え」とは、古代インド社会で尊敬を集めていたバラモン僧に問うてみよ、きっと上記より優れたものは無いであろうとの逆説でありましょう。さて、アビダルマ仏教はいわば<学問仏教>であります。こうした仏教の研究に明け暮れる出家僧の集団に反発して、在家仏教信者を中心に、ヨーガ体験に基づく「空」(くう)思想をよりどころとする新しい仏教運動が芽生えてきます。これが「大乗仏教」(だいじょうぶっきょう)と呼ばれるものであります。
老僧のぷいと吐きたる枇杷の種