木魚歳時記 第1636話

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     八月の赤子はいまも宙を蹴る 宇多喜代子

 赤ちゃんは手足をばたばたさせます。それが「仕事」のようなものですからいたしかたがありません。そのようすを眺めているといつまでも飽きません。真夏の頃は赤ちゃんといえども暑いことに変わりはありません。しかし、身軽ですからさかんに手足をばたばたさせます。われわれ大人は、なんだかんだ理屈をつけて、涼しいところでお休みしようと考えます。赤ちゃんは違います。暑いさかりの八月の赤ちゃんが、今、目の前でばたばたさせています。

        待春の祗園白川切通し