木魚歳時記

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木魚歳時記 第1536話

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海驢(みち)の寝流れ

 海驢(みち)とは、おおよそ聞きなれないことばです。つまり、海馬(あしか)のことです。海馬(あしか)の古名とされています。古い歌に「我が恋は海驢(みち)の寝流れさめやらぬ夢なりながらたえや果てなん」(歌林拾葉集十一)とあります。なんとものどかのようで、実はせつない情景が浮かんでまいります。動物の中でも知能が発達しているとされるアシカに自分のことを喩えて、己の恋のゆくへを予測したお歌のようです。それにしても、己を海馬に喩えて、悠然と大海を漂流させるとは、なんともおおらかなようでせつない歌であります。さて「季語は自分の中の記憶を再生する」。とありました。

    チューリップいまならわたしあげるわよ