木魚歳時記 第694話

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 バス停であの少女と再会しました。数年前こどもであった彼女は少女に変身していました。彼女は全盲のようですが「和」(やすらぎ)の笑顔は以前のままでした。

   「人はひとりであるとき
          いちばん強い」(吉田紘二郎)

 仏教では「和顔愛語」(わげんあいご)といいます。おだやかに調った<やすらぎ>の笑顔とやさしい言葉は、仏の<悟り相>といってもいいでしょう。「いつもニコニコやさしいことば」。これが仏教教団のありかたです。あのバス停に佇む少女の<やすらぎ>の笑顔が忘れられません。

   やや寒し病める少女の白い杖