2013-12-19 木魚歳時記 第270話 はぐれ鴨 この世逆さに 夕餉かな 鴨はふつう午前中に川底の餌をあさります。水面にぴょっこり尻を残す風情は冬の風物詩です。 「いだかれてあるとも知らずおろかにも われ反抗す大いなる手に」(九条 武子) どなたかの「この世逆さに」の中七を借用させていただきました。なぜ?ふつうの鴨たちがねぐらに帰るころ、独り「この世逆さに」に藻屑刈するはぐれ鴨は、ぼくの人生とオーバーラップするからです。「この世逆さに」以外に表現はないのです。