菩提樹の林の下に立って見ると脚下に広い野原につづく津山の家々から稲岡や弓削のあたりまで遠く見晴らした。すりばちの底のような山峡で育った小矢児の目にはこの打ちひらけた景色がめずらしくうれしかった。(佐藤春夫『極楽から来た』)110 野仏にひとつ…
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