木魚歳時記第4906話  

 こ の策を知るや知らずや、高足鎮西(ちんぜい)の聖光(しょうこう)、西山の証空(しょうくう)さえ各自の伽藍(がらん)を興して寺を号して出身の天台に自ら還宗し勢い叡山の配下に接収されてされてしまうなかで、断乎、敢然とこれに抵抗し関東平野の農民に伍して教えを布き、教田を拓きのち永く自由に専修念仏の主体性を守るに足る用意 を支度して後、京都に帰り、己の領解を『教行信証』として著しした後、師の讃仰と遺文伝記の編纂を遂げ九十年の永い生涯を師の教えに捧げたのが、慈円に得度の弟子親鸞その人であった、九州で念仏宗の二祖自称した聖光は別として。(佐藤春夫 付録章『一枚起請文』)

        満月と離れ難くてはしご酒

 「満月」は秋季となります。寅さん映画ならいざ知らず! たとえば、ぼくが「はしご酒」を味わうような機会は縁遠くなってしまいました(汗)。すっかり、草庵の「居つき鴨」となっています。嗚呼。