木魚歳時記第4881話 

 「奴らも大ぶん酒手(さかて)の支払いをためて置きやがるから、おれからもすすめてやらせるよ。どうれちょっと表へ出て来よう。もう来ているかも知れない」と表に出て行った店のおやじは座敷に帰ってきたが、「鬼どもはまだだった。来ればすぐ知らせるようにいつけて置いた。ところで、いまのおぬしの話ではあるまいが、港では上人さまのお船が着いたと遊女たちが舟を乗り出すやら大へんな人だかりがしている」
(佐藤春夫『極楽から来た』)

         鼓虫の回るとき来て皆回る 

 「鼓虫」(まひまひ)は夏季となります。「水馬」(あめんぼう)とは違います! かぎられた空間で暮らしていますと、ふと、ぼくは、まひまひの化身かな? と、思う時があります(笑)。365日「ひまひま」ですから! すぐに一日が過ぎてしまいます(汗)。