木魚歳時記第4797話  

 しかも法然の庶民の間に布(し)こうとしれいるその教えたるや、古来の天台の伝統たる大方針、鎮護国家の仏教とは全く傾向を異にして個人を国家から解放して阿弥陀仏によって統一させようとする新思潮で、慈円が現在鎌倉幕府と結び、朝廷との間に巧みに介在して、その協調の下に天台を昔時の隆盛に導き、それによって自らも栄達をきわめようとしている意向には逆行し、妨害となる法然の意向であり教義である。
(佐藤春夫『極楽から来た』)1431

                    短夜や本の中から鶏の出る  

 何のことはない! 例により、例の通りの「つぶやき」俳句です。絵本の中から絵本の鶏(とり)が動き出した・・その妄想だけで作者は夢中になっています(汗)。「難しいことを易しく。易しいことをより深く。より深いことを楽しく」(井上ひさし)