木魚歳時記第4793話 

  念という文字は人二人の心とよむ。一念とは人二人が心を一つにするよむ。されば男と女二人寄り合って、我も人も心よからん時に、一度にただ一声、南無阿弥陀仏と申すを一念義という。されば後家ややもめで独りで居る者は、この一念の行はじければ、往生はすまじとて、一人で居る者が二人になりあった者がある」とこういう奇怪な説をなして、念仏の徒のなかには戦争後家などを相手に操行上いかがわしい者が少なくなかった。(佐藤春夫『極楽から来た』)1427

        狐火のぼたんと落ちて羅漢寺

 吟行で深草の羅漢寺(らかんでら)に行ったときに詠んだ俳句です。薄暗い山の斜面は昼でも狐火が出そうな雰囲気でした・・と、そんな発想から生まれた俳句です。一端、季語を据えたら、季語を信じたい。